埼玉県川口市の相談しやすい税理士、大内です。
今回は、「地積規模の大きな宅地の評価」について、考えてみたいと思います。
地積規模の大きな宅地とは
地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏では500㎡以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域では1,000㎡以上の地積の宅地をいい、一定の要件を満たした場合は、評価額を下げることができます。(今回は、路線価地域に所在する宅地に限定して、お話します)
下記の要件をすべて満たすことが要件となります。
①普通商業・併用住宅地区又は普通住宅地区に所在すること
②市街化調整区域に所在しないこと
③都市計画法の工業専用地域に指定されている地域に所在しないこと
④指定容積率が400%(東京都の特別区では300%)以上の地域に所在しないこと
⑤財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地でないこと
なお、三大都市圏とは、東京近郊、大阪近郊、名古屋近郊で、各整備法により規定されている一定の地域をいいます。
評価方法は
要件を満たした場合には、通常の評価額に、下記の算式により計算した「規模格差補正率」という割合を掛けることにより、評価額を下げることができます。
◎規模格差補正率の計算式
規模格差補正率=(①×②+③)÷地積規模の大きな宅地の地積①×0.8
②③の数値は、それぞれ下記の通りです。
(1)三大都市圏に所在する場合
・500㎡以上1,000㎡未満:②0.95、③25
・1,000㎡以上3,000㎡未満:②0.90、③75
・3,000㎡以上5,000㎡未満:②0.85、③225
・5,000㎡以上:②0.80、③475
(2)三大都市圏以外の地域に所在する場合
・1,000㎡以上3,000㎡未満:②0.90、③100
・3,000㎡以上5,000㎡未満:②0.85、③250
・5,000㎡以上:②0.80、③500
最後に
地積規模の大きな宅地については、戸建分譲住宅用地として、分割する際に潰れ地が発生したり、分割分譲に伴う整備費用等の負担を考慮した評価方法となっております。要件が細かく規定されていますので、適用する際には注意が必要です。