埼玉県川口市の相談しやすい税理士、大内です。
今回は、相続で詐欺行為があった場合にどうするかということについて、考えてみたいと思います。
相続で行われる可能性のある詐欺行為
相続の際に行われる詐欺行為は、下記のような行為が考えられます。
①遺産を隠す行為
被相続人の方と同居していた相続人が、遺産の一部を隠してしまう行為です。ほかの相続人の方は、遺産の全てを把握していないことが多いため、このような行為が行われると、受け取る遺産が不当に減ってしまうことになります。
②遺言書を破棄したり、書き換えたりする行為
遺言書を発見した相続人が、その遺言書を破棄したり、自分の都合の良いように書き換えるなどの偽造を行ったりする行為です。これでは、被相続人の方の想いは実現しなくなってしまいます。
③生前贈与を隠す行為
生前に被相続人の方から、多額の贈与を受けていたにもかかわらず、その事実を隠す行為です。この生前贈与が特別受益に該当する場合には、本来は相続財産に持ち戻して、遺産分割をする必要がありますが、それを隠されてしまうと、ほかの相続人の方が、受け取れる遺産が減ることになります。
詐欺行為があった場合
詐欺行為があった場合には、下記のような対応をとることになります。
①遺産分割協議をやり直す
詐欺行為を行った相続人が、その事実を認め、相続人と包括受遺者の全員が同意すれば、遺産分割協議をやり直すことができます。
詐欺行為をした相続人がそのことを認め、さらに相続人全員が遺産分割協議のやり直しに同意をしている場合には、再度遺産分割協議を行うことができます。
②遺産分割無効確認訴訟を提起する
詐欺行為を行った相続人が、その事実を認めない場合は、裁判所に対し、遺産分割無効確認訴訟を提起する必要があります。
③詐欺行為を行った相続人を相続から除外する
詐欺行為を行った相続人は、相続欠格事由に該当するため、相続権を失うことになります。その相続人を除外して、遺産分割協議を進めることができます。
終わりに
相続の際に、親族間でこのような行為があってほしくはありませんが、不幸にもこのような事態となった場合には、ご自身で解決するのは難しいため、相続問題に強い弁護士に相談されることをお勧めいたします。当事務所でも、相続問題に強い弁護士をご紹介しておりますので、お困りの際はご相談ください。