ouchi 埼玉県川口市の相談しやすい税理士、大内です。
今回は、相続分の譲渡について、考えてみたいと思います。
｢相続分の譲渡｣とは
｢相続分の譲渡｣とは、自分の相続分をほかの人に譲渡することです。この手続きは遺産分割協議の成立前であれば、行うことができます。
相続分の譲渡は、相続人以外の第三者に対しても行うことができ、有償無償を問いません。また、相続分の全部でも一部でも可能です。
相続分の譲渡のメリット
下記のようなメリットがあります。
・自分が譲りたい特定の人に譲ることができる
・有償で行う場合は、対価を得ることができる(遺産分割協議を待つ必要がない)
・遺産分割の手続きから、早期に離脱することができる(トラブルを回避できる)
相続分の譲渡のデメリット
下記のようなデメリットがあります。
・被相続人に借金などの債務があった場合、その債務の弁済を免れることができない
・相続人以外の第三者に譲渡した場合、他の相続人から取り戻し請求されたら、断れない
・相続人以外の第三者に譲渡した場合、相続手続きがスムーズにいかない
・相続人以外の第三者に譲渡した場合、無償の際は譲受人に贈与税が、有償の際は譲渡人に譲渡所得税が発生する可能性がある
最後に
｢相続分の譲渡｣は、｢相続放棄｣と違い、相続人としての地位は喪失しないため、債務の弁済を免れることができません。一方、｢相続放棄｣の場合にはできない、特定の人に相続分を譲れるという利点は大きいと思います。
相続人以外の第三者に譲渡する場合は、デメリットも多く、トラブルになりやすいため、あまりお勧めはできませんが、ほかの相続人への譲渡は、状況により、検討してもよろしいかと思います。